水分補給だけじゃダメだった?「神経のバグ」をリセットして足のつりを防ぐ新常識
- トレーナー山下

- 5月11日
- 読了時間: 4分

激しいトレーニングや試合中、突然ピキッと襲ってくる「足のつり(運動誘発性筋痙攣)」
スポーツ選手や愛好家にとって、これほど厄介なものはありません。
これまで、足のつりの原因といえば「脱水」や「電解質(マグネシウムなど)の異常」とされておりました。
一生懸命スポーツドリンクを飲んだり、バナナを食べたりして対策してきた方も多いはずです。
しかし最新の研究では、持久系の運動中、足がつる人とつらない人の間で水分量や血清電解質に差はないことが分かっています 。また、足がつった時にストレッチをすると治りますが、これは水分や電解質のバランスが瞬時に回復したからではありません 。
今回はこちらの論文を参考に足攣り予防の新常識について解説していきたいと思います!
Craighead, D. H., Shank, S. W., Gottschall, J. S., Passe, D. H., Murray, B., Alexander, L. M., & Kenney, W. L. (2017). Ingestion of TRP channel agonists attenuates exercise-induced muscle cramps. Muscle Nerve, 56(3), 379-385 . https://doi.org/10.1002/mus.25611
「神経の過剰興奮」
現在
最も有力視されている最終的な原因は、「α-運動ニューロン(運動神経)の過剰な興奮」です 。
激しい運動や疲労などのさまざまな要因が重なると、筋肉に「収縮しろ!」と命令を出す神経がパニックを起こし、暴走状態になってしまいます。
これが、意図せず筋肉が強く収縮し続ける「足のつり」の正体と示唆されております。
要するに
神経のシステムエラーが起きている状態なのです。
いかに神経のシステムエラーを防ぐか?
非常に重要になります!
マグネシウムを補給したり、水分を摂るだけではシステムエラーを防止するのは難しいということが分かっています!
では、どうすればよいのか?
口と胃の「センサー」で神経をリセット
この厄介な「神経のシステムエラー」を鎮める画期的な方法として注目されているのが「スパイス」
口の中、喉、食道、そして胃には、「TRPチャネル」という温度や化学物質を感じ取る感覚センサーが存在します 。
例えば、トウガラシを食べた時に「熱い・辛い」と感じるセンサー(TRPV1)や 、シナモンの風味を感じるセンサー(TRPA1)などです 。
強い感覚刺激を与えると、神経の出力を全体的に抑え込むことができるという人体のメカニズムがあります 。つまり、トウガラシやシナモンのような強い刺激を持つ成分(TRPチャネル作動薬)を飲んで口や胃のセンサーを刺激してあげれば、暴走していた運動神経が抑制され、過剰な興奮を落ち着かせることができるのです。
スポーツ現場ではマスタードを用意して選手に食べさせています。
初めは疑って使っている選手もマスタードをハーフタイム中に食べています。
ピクルスジュースの研究もあるので、とにかく刺激するようなスパイスであれば何とかなるのでは?と考えています。
スパイス飲料がもたらす効果
実際の研究では、カプサイシン(トウガラシ)、シナモン、ショウガの成分を配合したフルーツ味の「スパイシーな飲料(TRPチャネル作動薬)」を使ったテストが行われました 。
被験者にこの飲料を飲んでもらい、15分後に意図的に足をつらせる過酷なテストを実施したところ 、以下のような結果が出ました。
足がつるまでの時間が大幅に延びた
痙攣中の筋肉の異常な活動(筋電図データ)が減少した
痙攣が収まった直後の筋肉痛が和らいだ
ただ単に痙攣を遅らせるだけでなく、痙攣そのものの激しさを和らげ、その後のダメージまで軽減してくれるという結果です!
実際の配合までは詳しく載っていなかった(もしくは見逃している)ので、どんな味なのか…
🛡️パフォーマンスへの悪影響は?
「神経の興奮を抑え込んでしまったら、スポーツに必要な動きまで鈍くなってしまうのでは?」
別のテストで、このスパイス飲料を飲んだ後に「手先の器用さ」や「空間での正確な手の動き」など、微細な運動機能を測定する実験が行われました。
その結果、どのテストにおいても運動パフォーマンスへの影響は一切見られませんでした 。
足の攣りはしっかり防ぎつつ、細やかで正確な運動機能はそのままキープできることが証明されています。
まとめ
「足のつり対策=水分・塩分補給」という常識は過去のものになりつつあります。しっかり準備をしているのに足のつりに悩まされているのであれば、それは「神経の過剰興奮」が原因かもしれません。
摂取からたった15分で効果が期待でき 、パフォーマンスの邪魔もしない「TRPチャネル作動薬(カプサイシン、シナモン、ショウガなど)」
次のトレーニングでスポーツドリンクの横に、少しスパイシーな刺激を取り入れた対策アイテムを試してみてください!
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