炭水化物摂取は筋トレのパフォーマンスを上げるのか?
- 康太 正木
- 2025年11月17日
- 読了時間: 4分
更新日:2025年12月3日

多くのダイエッターやアスリートは筋力トレーニングやレジスタンストレーニングに取り組む多くみますが「トレー二ング前の炭水化物は必要か?」という疑問を持っています。
特に筋肥大を狙うアスリートや、効率よくトレーニング効果を出したいダイエッターにとって、
炭水化物(CHO)の役割は非常に重要なテーマです。
Henselmans, M., Bjørnsen, T., Hedderman, R., & Vårvik, F. T. (2022). The effect of carbohydrate intake on strength and resistance training performance: A systematic review. Nutrients, 14(4), 856. https://doi.org/10.3390/nu14040856
今回はこちらの研究を参考に、炭水化物摂取量と筋力・レジスタンスパフォーマンスの関係について解説していこうと思います!
1. 研究の構造
レビューに含まれた49研究の内訳は以下の通りです。
急性摂取研究:単発で炭水化物を摂り、直後のパフォーマンスを見る
グリコーゲン枯渇後の補給研究:低炭水化物や運動で意図的に枯渇させ、その後の補給効果を見る
短期(2〜7日)摂取研究
長期(数週間〜数ヶ月)摂取研究
被験者は
トレーニング経験者(多数)
レクリエーショナルレベル
未経験者など幅広く含まれていました。
2. 結論:通常の食事+一般的なトレーニングでは効果は限定的
レビュー全体として、著者らは次のように結論づけています。
一般的なトレーニング条件では、
炭水化物を増やしてもパフォーマンス向上の明確な証拠はない。
特に以下の条件では効果が乏しいと報告されています。
通常の摂食状態(朝食を食べているなど)
1部位あたり最大10セット程度のトレーニング
普段から炭水化物を一定量摂っている人
多くの研究で、炭水化物摂取の有無による
1RM
最大パワー
持続可能回数
総ボリューム
これらに大きな差が見られませんでした。
3. 効果が出る可能性がある状況
ただし「常に効果がない」というわけではありません。
セット数が非常に多いトレーニング
レビューでは、1部位あたり11〜17セット以上という高ボリュームのトレーニングでは、炭水化物摂取がパフォーマンス維持に有利となる可能性が示されていました。
この場合、筋グリコーゲンの消耗が通常より大きく、枯渇を防ぐ効果が働くためと考えられています。
空腹・断食状態でのトレーニング
断食状態では血糖が低下し、筋グリコーゲンも少ないため、炭水化物摂取の影響が大きくなりやすいとされています。
朝食抜き
トレーニング間隔が長くなる
カロリー制限中
これらでは補給のメリットが出やすいと報告されています。
グリコーゲン枯渇状態
低炭水化物ダイエットや長時間運動後など、明らかに枯渇した状態では炭水化物摂取により性能が改善される例が示されています。
4. 長期的な筋肥大・筋力向上への影響は?
重要なのは長期的に見て筋肥大や筋力が変わるかですが、この点に関しては次の通りです。
長期的なトレーニング適応に
炭水化物摂取量が明確な差を生むという証拠は不足している
等カロリー条件で炭水化物量のみを変えた研究は少なく、結論は保留とされています。
「炭水化物が多ければ筋肥大が有利」という強い科学的根拠は現時点では存在しません。
5. ダイエッターのポイント
減量中は炭水化物を減らす人が多いですが、このレビューから得られる重要ポイントは次の通りです。
通常の筋トレなら、炭水化物を極端に増やす必要はない
脂質・タンパク質・総カロリーの方が優先度が高い。
トレーニング強度が高い日は炭水化物を“戦略的に使う”
例:脚トレ、ハイセット、サーキット→ 事前の炭水化物摂取がパフォーマンス低下を防ぐ可能性。
空腹での筋トレはパフォーマンス低下のリスク
血糖が低いとフォーム崩れや怪我につながる可能性もあり、レビューでも炭水化物補給の有益性が示唆されています。
6. アスリートのポイント
高ボリュームトレーニングでは炭水化物は“必須に近い”
特に競技レベルで
1部位15セット
トータル40〜60セット/日などは、炭水化物がないとパフォーマンスが下がる可能性が高い。
試合前や連日のハードトレーニングでは補給は合理的
グリコーゲン枯渇を避けることは競技力維持に不可欠。
長期的筋肥大への影響は限定的で不明確
重要なのは総エネルギーとタンパク質であり、炭水化物“だけ”を増やす合理性は弱い。
7. 結論
今回のレビューが示す最も重要なポイントは以下の通り。
炭水化物摂取は「必要な人にだけ必要」
ほとんどの一般トレーニーには“劇的な効果”はない。
しかしハードなトレーニングでは確かに有効。
つまり、炭水化物は 常に増やすもの ではなく、トレーニング内容に応じて戦略的に使い分ける
ことが最も合理的だとまとめられています。
競技パフォーマンスの向上や脂肪カットにおいては必要となる栄養素なので自身の必要量を見極め、
トレーナーとすり合わせることで無駄のない栄養戦略をとれます!
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