【2026年最新研究】ビタミンが筋肉を減らす?‐「抗酸化サプリ」に潜む落とし穴-
- 康太 正木
- 2月25日
- 読了時間: 6分

「トレーニングが終わったら、すぐにマルチビタミンとプロテインを飲む」
「ダイエット中の過酷な運動による酸化を防ぐために、高用量のビタミンCを欠かさない」
パフォーマンス向上や理想の体型を目指したこのような習慣が、
最新のスポーツ科学では「待った」をかけるかもしれません。
2026年、国際スポーツ栄養学会(ISSN)から発表された最新のポジションスタンド(公式見解)は、「高用量の抗酸化サプリメントは、運動による身体の適応(成長)を阻害する可能性がある」というものでした。
International Society of Sports Nutrition. (2026). International Society of Sports Nutrition position stand: Antioxidants and exercise performance. Journal of the International Society of Sports Nutrition, 23(1), Article 2172026. https://doi.org/10.1080/15502783.2026.2172026
今回はこちらの研究をもとに、良かれと思って摂っているビタミンサプリが逆効果になり得るのか、
分かりやすく解説していこうと思います!
1. 筋肉を育てるのは「活性酸素」という刺激
これまで、活性酸素(ROS)を「細胞を傷つけ、老化を早める悪者」として認識してきました。
確かに、慢性的なストレスや不摂生によって発生する活性酸素は有害です。
しかし
運動によって一時的に発生する活性酸素には、全く別の重要な役割があります。
「ストレス」がなければ「成長」もない
筋力トレーニングや高強度の有酸素運動を行うと、筋肉内で活性酸素が急増します。
この一時的な酸化ストレスがスイッチとなり、体内の細胞に以下のような指令を出します。
筋肥大のスイッチ: mTORなどのシグナル伝達経路を活性化させ、タンパク質の合成を促す。
持久力の向上: ミトコンドリアの新生(増殖)を促し、より多くのエネルギーを作れる体にする。
インスリン感受性改善: 糖分を効率よく筋肉に取り込めるようにし、脂肪がつきにくい体質へ。
要するに
運動による活性酸素は、体がより強く効率的に進化するための「必要不可欠なストレス」ということになります。
筋肥大や持久力向上は運動により高めたい能力であるので、これらの成長を阻害することは避けなければなりません。
2. 抗酸化サプリメントが引き起こす「適応の阻害」
ここで問題となるのが、
サプリメントによる高用量のビタミンCやビタミンEの摂取です。
最新の研究報告では、運動直後にこれらの強力な抗酸化物質を体内に投入すると発生した
「成長のためのスイッチ(活性酸素)」を体が反応する前に消し去ってしまうことが示されました。
阻害の具体例
ISSNの報告や関連する解析では、以下のようなリスクが指摘されています。
筋肥大の抑制
ビタミンCを1日1,000mg以上摂取し続けたグループは、摂取しなかったグループに比べて、筋力トレーニングによる筋肉量の増加率が低下したというデータがあります。
持久力向上の抑制
持久系トレーニングにおいて、ビタミンCとEの併用がミトコンドリアの増加を阻害し、最大酸素摂取量の伸びを鈍らせることが確認されています。
ダイエットへの影響
運動による「脂肪燃焼効率の向上」や「糖代謝の改善」といったメリットも、過剰な抗酸化物質によって打ち消される可能性があります。
レモン100gあたりビタミンCは100㎎程度なので1000㎎を食品から摂取することは容易ではありません。
青汁100gあたり1100㎎のビタミンCが摂取できるようなので運動直後は避けた方がよさそうです!
3. 【超重要】食事とサプリメントの決定的な違い
今回のブログではここだけ抑えてもらえば良いです!
重要なのは、「野菜や果物からビタミンを摂ることは、全く問題ない」ということです。
研究で警告されているのは、あくまで「抽出された高用量の特定成分(サプリメント)」です。
食事に含まれるビタミンは、他のポリフェノールや微量栄養素と絶妙なバランスで共存しており、体への吸収速度も緩やかです。
食事からの摂取であれば、運動による有益な酸化ストレスを完全に消し去るほどの過剰反応は起こりません。
むしろ、自然なリカバリーを助けてくれます。
栄養素は単体で摂取するより複合的に摂取するほうがよいという研究報告が近年みられますので、バランスよく摂取することが推奨されます。
サプリメントは使い方やタイミングが重要なので栄養の知識が無い状態での摂取は避けたほうが良いと個人的には考えます!
サプリメントは補助でありメインではないという考え方が絶対に崩さない方が良いです!
4. アスリート・ダイエットの「新・栄養戦略」
ビタミンとの付き合い方は下記がおすすめです!
① 「トレーニング期」と「試合・集中期」で使い分ける
筋肉を大きくしたい、体力をつけたい時期
サプリメントによる高用量ビタミン摂取を控えましょう。
体の「自己適応能力」を最大限に引き出す期間です。
連戦が続く試合期や、過酷な合宿
この時期は「成長」よりも「翌日の疲労除去」が優先されます。
このような限定的な期間に限り、抗酸化サプリメントの摂取がパフォーマンス維持に寄与する場合があります。
② 摂取タイミングを「運動前後3時間」から外す
もし健康維持のためにマルチビタミンを飲みたいのであれば、タイミングを工夫しましょう!
NG: トレーニング直後のプロテインと一緒に飲む。
OK: 運動から遠い時間帯(運動2時間前での朝食時や、夜トレーニングなら翌朝など)に摂取する。
③ 「質」の高い抗酸化物質を選ぶ
サプリメントのビタミン単体に頼るのではなく、
抗酸化作用を持つ天然の食品を積極的に選ぶことをお勧めします!
タルトチェリー・ブルーベリー
炎症を抑えつつ、筋肉の適応を阻害しにくいという結果が、最近数多くの研究で分かっています。
緑茶・ピュアココア
他の食品より緩やかな抗酸化作用でサポートします。
ブルーベリーや緑茶は比較的どこでも手に入るのでおすすめです!
まとめ:科学的に正しく、効果的に栄養を活用!
最新のスポーツ栄養学は、「足りないものを足す」から「体の自然な反応を邪魔しない」フェーズへと移行している印象にあります。
特に重要なことは極力サプリメントに頼らず食事から補給する。
これは、ビタミンに限った話ではありません!
「ビタミン=体に良い」という陥りがちな考え方を捨て、トレーニングの目的に合わせて戦略的に栄養を摂取することが、ハードで地道な努力を100%の結果に結びつけてくれます。
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